
車をドレスアップする上で、ホーンの交換はとっくの昔から定番である。 あまりにも定番過ぎて、最近では殆どネタとして扱われていない位かもしれない。 だから・・・と言うには、余りにも言い訳がましいが、これまで見た目重視のドレスアップばかり施してきた男。 しかし、一通りのドレスアップが進み、ここへ来てようやくホーン交換をするに至った。 ------ 目次 ------ ※2002年1月頃のお話です。
■第一話『小心者の挑戦』 カー用品店のホーン売場、そこにはいくつかのホーンを、実際に鳴らして聴き比べることの出来るサンプル展示がある。 体験した人ばかりだと思うが、このサンプル展示を、店内で鳴らすとかなりうるさい。 かつて、誰かが鳴らしたサンプル展示のホーン音に、飛び上がるほど「ビクッ」っとして、恥ずかしい目に会ったことがある。 スイッチボタンを見ると押したくなる習性で、自分で鳴らして自分でビックリしたこともある。 また、誰かが鳴らした音に、「ビクッ」っとなっている人を見て、密かに嘲笑することもしばしばある。 今日、男は初めてホーンを選ぶ。---------------- そんなサンプル展示と、真っ向勝負をかけなければならない時が来たのだ。 店内にいる誰にも、うるさがられることなく、 速やか、かつ、慎重に音を聴き比べ、 最適なホーンを選び出す。 小心者がゆえ、課題は多い。 平日のカー用品店。静まり返ったホーン売場。商品を見る振りをしながら、周囲をリサーチ。 「1・・2・・・3・・」 周囲には店員を含めてわずか3名ほど。 「よし、今だ!」 まるでエロ本を買おうとしている中学生みたい。 「ドキドキドキドキ・・・・・・・」 込み上げる緊張。 音量を最小限にくい止めるには、ボタンをプッシュと同時に、手を素早く引き戻さなければならない。 「北斗神拳を使おう。」 サンプル展示のスイッチボタンにそっと手を伸ばし、呼吸を整える。 「ほぉ〜〜〜〜〜〜・・・・」 イメージトレーニングも完璧。 「ほあたっ!!」\ パフッ / ホーンから微かな音が漏れた。成功だ! この小さな\ パフッ /は、いわば布石。 これで周囲の人に、“これからホーン選びを始めますよ”という挨拶が出来た。 ビックリさせる事ももうない。じっくりとホーン選びをするとしよう。 でもなんでこんなに気を使ってんだろ・・・。 改めて自分が小心者である事を、痛感せずにはいられない・・・。
■第二話『こだわりは脆く儚く』 各種出揃い、10個ものスイッチボタンが設けられたサンプル展示。 一通り鳴らしてはみたものの、どれが良いのか今ひとつピンと来ない。 予備知識もなく、選びに来たのは失敗だったのか・・・? 何度も繰り返しボタンを押して音を聴き比べる。 頭の中で、“道を譲ってもらった時に鳴らす、サンキューの\ パフッ /”をイメージしながら。 あの小気味よく、さりげない“サンキューの\ パフッ /”。 実に気持ちがいい。ホーンの主な用途だ。威嚇に使うことは殆どない。 サンプル展示の前で、目を閉じ、薄ら笑いを浮かべながら、 左手は耳元に当て、右手で小刻みにスイッチを押しまくる。 その姿は、まるでクラブD.J.が、自分に酔いしれスクラッチしているかの如し。 端から見れば、絶対変なヤツに違いない。 しかし試せば試すほど、何が良いのか、わからなくなっていくもの。 芳香剤をいろいろ選びまくると鼻が麻痺する。 きき酒なんかすると、味覚以前に、ただ酔っぱらうだけ。 「正直言って、もうどれでもイイ・・・。」 優柔不断な主人格の裏にいる、投げやりな別の人格が現れ始めた。 スクラッチ・タイムもそろそろ限界だ。 この以上続けてたら、本当に変なヤツと思われる。 そんな折、ふとホーンの陳列棚をみると、“特価品”の文字が! “ BOSCH Rally EVolution \5600→\2380 ” 「これにき〜めぴっ!」(* ̄∇ ̄*) 結局、音も聴いてないホーンを手にレジへ。 購入の動機は・・・、 ・BOSCH製だからなんとなく。 ・色がメッキでイイ感じかも。 ・なんてったって“特価品”。 -----------以上。 この男のこだわりって、いったい?・・・・ 終
〜ホーン購入編〜